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Before
After
現場写真
こにし本店(近江牛肉専門店)
滋賀県彦根市/2020年度事業(保存修景事業)
ファサード(正面外観)修景
工事期間 施工1ヶ月半
撮影 川村憲太/tametoma
彦根市花しょうぶ通り商店街にあるお肉屋さんの保存修景事業
平成28年7月25日、彦根市河原町芹町地区伝統的建造物群保存地区が国の重要伝統的建造物分保存地区(重伝建地区)に選定されました。
河原町・芹町地区の町並が江戸時代前期に河川を付け替えて形成された城下町の特徴ある地割りをよく伝えるとともに、街路に沿って江戸時代から昭和戦前期にかけて建てられた町家等を良く残し、商町家としての歴史的風致を良く示すことが評価されたものです。
全国で112件目(滋賀県内では4件目)、彦根市としては初の選定です。
滋賀県内の重伝建地区は大津市坂本(里坊さ群・門前町)、東近江市五個荘金堂(農村集落)、近江八幡市八幡(商町家)、彦根市河原町芹町地区(商町家)の4件になります。
重伝建地区とは、伝統的建造物群およびこれを一体となしてその価値を形成している環境を保存するため、市長村が都市計画法に基づき指定して保存地区のうち、我が国にとってその価値が特に高いものを文部科学大臣が選定する制度です。
重伝建地区に選定されると、地区内の建築物その他の工作物について、新築、増築、改築(修繕、模様替え、その他外観を変更するものを含む)を行う際に一定の制限がかかる一方で、その風致・町並に適した工事等については、国の補助を受けることができます。
平成28年4月に保存計画が告示され平成30年度に2件、令和元年度に2件の保存事業が実施され、こにし本店は令和2年度の7件目の修景事業として設計させていただきました。
修景事業の助成措置としての補助金は工事費用の6/10(上限500万円)になります。
具体的には約833万円の工事の場合で500万円の補助を受けることができます。
工事費用だけではなく設計費および監理費も補助金の2/10以内(上限80万円)が補助されます。
前年の2019年度の事業として設計した西川家住宅とは異なり、こにし本店は鉄骨造の建物で保存地区内における伝統的建造物以外の建築物に該当するため補助率は6/10になります。
こにし本店の修景事業は通りに面した元々のスチール製のシャッターを撤去し木製の格子戸に、タイルの床を洗い出しの床に変更し、既存の外壁ルーバーは再塗装、エアコン室外機への木製カバーを新設しました。
営業時は格子戸を戸袋内に収納することも可能で店舗の営業スタイルに合わせて柔軟に対応できるよう考慮しました。格子戸を閉めた時にはこの地域の伝統的な格子デザインが美しいファサードとして景観に寄与します。