タクタク一級建築士事務所 滋賀県・京都府の建築設計事務所/建築家 滋賀・京都で建築家と建てる家

永源寺の家
滋賀県東近江市/2018年

家族構成 夫20代+妻30代+お子様1人*設計依頼時

構造規模 木造、地上2階
計画期間 設計9ヶ月、施工7ヶ月
延床面積 117.6平米(1F/77.09平米、2F/40.6平米)
敷地面積 419.84平米

家具 ハンドワークデザインスタジオ
写真 川村憲太/tametoma

周囲は山々に囲まれた自然豊かな集落内。
地域の集会所と立派な御神木に守られた神社の横に4人家族のための住まいを計画しました。

元々は祖父母が暮らされていた旧家を取り壊して孫の代が移り住まれることもあり、利用できるものは極力引き継ぎたいと考えました。植栽もそのままの配置で建築の計画に取り込めるよう設計し、既存の小屋は躯体をいかして外壁や屋根の補修をし駐車場として再生しました。

祖父が大工をされていたということもあり、かつての作業場には貴重な銘木が保管されていました。
それらの木材を適材適所で建築や家具にうまく調和するよう設計し、ブビンガは框、ケヤキは棚板、黒檀は家具の引手、カリンはカウンター、ヒバは窓枠やドア枠として使用することができました。
健在であれば祖父が大工工事をされると素敵でしたが、今回は残されていた木材だけでも利用することができ祖父から孫への継承のお手伝いができて良かったと思います。

建築はゆったりと周囲を気にすることなく生活できるよう中庭を中心とした空間を設計しました。
中庭に対してリビング、洗面、浴室の視線が重ならずに開く構成とし、安定した採光を高窓から確保する伸びやかで気持ちの良い空間に仕上がりました。