タクタク一級建築士事務所 滋賀県・京都府の建築設計事務所/建築家 滋賀・京都で建築家と建てる家

正面外観 Before

内部 Before

内部 Before

竜王の家
滋賀県蒲生郡/2018年(リノベーション)

既存住宅 築60年以上
家族構成 夫30代+妻30代+お子様2*設計依頼時
計画期間 設計4ヶ月、施工5ヶ月
延床面積 165.0平米

撮影 川村憲太/tametoma

50坪ほどの平屋の古民家を30代の4人家族の住まいにリノベーションしました。築年数は正確に判断できる資料がなかったものの最低でも60年以上の古民家。通り庭の土間や田の字型の畳の空間構成など田舎建ちの昔ながらの建物でした。

クライアントは当初、古民家を解体して新築を建てることで考えられていました。
はじめに解体の見積もりを取りましたが敷地内には50坪の平屋以外に奥にも25坪程度の2階建ての蔵があり、屋根で繋がっていたことから全て解体して更地にするにはかなりの費用が必要だと判明しました。限られた家づくりの総予算から解体費用を捻出し残った予算で新築を建てると面積的にも厳しい小さな家になることからスケールメリットの大きい50坪の平家の躯体を活かしたリノベーションを提案し、実現しました。

50坪全てを完全にリノベーションするには予算もオーバーしてしまうことから、コストをかけないよう手を入れない空間を取ろうと考えました。50坪のうち、屋外に面した縁側的な廊下の空間と玄関土間スペースのおよそ10坪程度の空間は天井、壁を既存のままとし、床だけを新しく土間で仕上げました。これによって40坪の空間を断熱化、耐震化することが予算的に可能となりました。減築して小さくするのではなく、既存の空間を活かしながら手を入れる部分と入れない部分をバランスよく計画することで新築では実現しないハイブリッドな空間ができました。