敷地は滋賀県の彦根市。比較的交通量の多い県道に面した美容院の立て替え計画である。
従来の地方都市に林立する道路に面した美容院の形式として、ガラス張りの単調なものや目立つことを目的としたキッチュなものが挙げられる。これに対して今回の計画では空間のボリュームの構成を居心地につなげ、美容院という枠に留まらない普遍性のある空間の気持ちよさを追求することを目指した。美容院でありながら、風が抜け、光が射し込み、常に自然の変化を感じられる建築である。
空間の構成は至って単純である。高さ4.3mのワンルームの大きな箱に、高さ2〜2.5m前後の小さな3つの箱を配置して、大きな箱の天井面を屋根から1.3m下げ、小さな箱の上部を抜き抜けにすることで構成されている。これによって内部はゆるやかにつながる空間が形成され、箱と箱の余白の関係が三次元で展開される。
全て見渡せるワンルームではなく、程よいプライバシーを確保しつつ多様な居場所が存在する。
誰もが気持ちよく居心地よいと感じられるそんな空間が実現した。
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